2019年12月8日就活生のお役にも立っています
日本話し方センターが開催している3ヶ月の話し方教室ベーシックコースは、就職活動を控えた大学生の皆さんも多数参加されています。
これから就職活動を控えて、自身の話し方に不安がある、あがって話したいことが話せない、などを改善するために来られる人がほとんどです。
しかし、就職活動が始まって、何度も面接で落ちてしまい、何をどのように改善したらよいのかわからない、という状況で参加される方もいます。
少し前にベーシックコースを受講されたKさんも、面接に中々合格できず、思い悩んで受講を決められた方でした。
面接では、自分を実態以上に良く見せることは絶対にできません。
面接官に、自分のことをキチンと理解してもらうことが必要です。
しかし、多くの人は、あがってしまったり、準備が不足していたりして、中々自身のありのままの姿を見てもらうことが難しいようです。
ありのままの自分を見てもらうための改善点は、もちろん、人それぞれです。
私がKさんにお目にかかって、感じた改善点は次の3点でした。
○ 表情をもっと明るくした方がよい。笑顔が少なく、笑っても照れ笑いのように見えてしまう。
○ 滑舌をよくした方がよい。曖昧な発音で聞き取れないことが少なからずある。
○ 自分の意見をもっと掘り起こして整理した方がよい。話しが浅く、思考力や人柄が把握しにくい。
とても素直でバイタリティもありそうなのですが、上のことが気になり、とてももったいないと思いました。
話し方教室ベーシックコースでは、上に述べた、話す態度・表情、発声のし方、話の内容など全般に渡ってアドバイスします。
滑舌は毎回、発声練習をし、改善すべき人には、「口の体操」という滑舌をよくする練習をするようお願いしています。
また、スピーチをしてもらって、自分の意見が少ないと思った場合、講師は、
「その失敗をしたとき、どう思いましたか?」
「何故その様な失敗をしたと思いますか?」
「今後、同じ失敗をしないために何を心がけますか?」
というように、受講生の気持ちや考えを引き出します。
これを繰り返すことで、自分の内面が深められ、話に具体性と奥行きが出てきます。
Kさんは講師のアドバイスを素直に受け止め、自宅でも口の体操をしっかりと行い、自分の考えや気持ちを言葉にすることにチャレンジし続けてくれました。
やがて、スピーチが上手くなり、講師や他の受講生に誉められることが多くなってきました。
すると、その成功体験のおかげで、自然と話しているときにも笑顔が出るようなってきました。
そして、ベーシックコースも残り2~3回を残す頃、Kさんから、
「希望している会社に内定をもらいました!」
という報告をもらいました。
彼の努力が報われた瞬間です。
我々もとてもうれしい気持ちになりました。
過去に、Kさんだけでなく多くの就活生の方々に参加いただき、うれしいお知らせをいただいています。
また、ゼミでの発表が苦手で何とかしたい、という大学生の方にも受講いただいています。
私は、話し方教室が、これから社会人となるこうした若い方々のお役に立てていることをとてもうれしく思っています。